「痔」は生活習慣病と言ってもいいほど、ライフスタイルに深く関わっている病気です。
日常生活の中で大きな時間を占める仕事は、痔の発症とも深い関係があります。
そこで、今回は痔になりやすいとされている職業をいくつか紹介していきます。
長時間座ったまま/立ったままの仕事
昨今、デスクワークで長時間、同じ姿勢で作業する方が増えてきました。長時間座っていると、肛門の周りがうっ血し、血流の流れが悪くなります。
血液の流れが悪いと炎症になりやすく、痔になるリスクが高まります。
また、立ち仕事も同様で、長時間同じ姿勢を続けると、肛門周囲がうっ血してしまうため注意が必要です。
具体的な職業
・デスクワーク
事務職、コールセンターオペレーター、システムエンジニアetc
・長時間運転する仕事
タクシードライバー、トラック運転手、バス運転手etc
・立ち仕事
アパレル業、飲食店スタッフ、保険業、介護職、警備員etc
対策
長時間デスクワークや運転をする方は、お尻への負担が大きくなるため、以下のような対策がおすすめです。
・1時間に1度は席を立つ
まずは長時間の座らないようにすることが大切です。定期的に席を離れたり、こまめに姿勢を変える様にしましょう。1時間に1度、1~2分でも良いので立ち上がったり歩いたりして、血流の流れをよくしましょう。
・クッションを活用する
痔で悩んでいる方に特におすすめなのが円座クッションです。肛門周りにクッションが当たらないため、デリケートなお尻を守ってくれます。
特にドライバーの方は、座席や走行中の振動も肛門付近の圧迫に繋がってしまうため、より注意が必要になってきます。時々車から降りて、歩いたり、ストレッチすることでうっ血を防ぐことができます。
身体が冷えやすい仕事
お尻は体の中でもとくに冷えが生じやすい部分です。腰やお尻を冷やすと、肛門周囲の血行が悪くなり、血栓もできやすくなります。
また、身体が冷えてしまうことで血行が悪くなり、内臓にも血液が回りにくくなります。便を押し出すための大腸の力が弱まることで便秘にもつながってしまいます。
便秘になると、硬い便を押し出そうといきんだ時に肛門が切れて出血してしまう切れ痔、排便の際のいきみによりできるいぼ痔などの原因になります。
具体的な職業例
・冷房の効いたオフィスで働く方
・屋外で作業される方
対策
まずは、身体の芯まで冷やさないようにすることが大切です。
冷房の温度設定を少し高めに設定したり、ひざ掛けやカーディガンを使ったりして体を冷やさないようにしましょう。
体の冷えに悩んでいる人は『貼るカイロ』を足先と腰や背中に貼ると血流がよくなります。また、入浴も血流を良くするのに効果的です。夏場でもシャワーで済ませず、入浴して血行を促進させましょう。
ストレスがかかりやすい仕事
ストレスは様々な病気の原因とされていますが、痔にも良くありません。排泄に必要な大腸のぜん動運動は自律神経がコントロールしています。
しかし、ストレス過多になると自律神経が乱れてぜん動運動に支障をきたし、スムーズな排便ができなくなります。また、ストレスにより免疫力が低下することで、細菌の感染によって痔を引き起こします。
具体的な職業例
ストレスと直接関係あるかは分かりませんが、離職率の高い職種TOP5を調べてみました。
- 営業職(営業、MR、人材コーディネーター)
- 技術系(IT,Web、ゲーム、通信)
- 企画職(経営企画、広報、人事、事務)
- 技術系(電気、電子、機械)
- 運輸・物流系(ドライバー、警備、清掃)
参照:2019年「企業の人材不足」実態調査|『人事のミカタ』アンケート
対策
痔の予防にはストレスケアも大切です。手軽にできるストレス解消法をいくつかご紹介します。
・こまめにストレッチをする
・甘いものを食べる
・とにかくぐっすり寝る
・太陽の下で体を動かす
・親しい人と話してたくさん笑う
・趣味に没頭して日常を忘れる
力仕事
重たい物を繰り返し持ち上げると、お腹に過度な圧がかかり、いぼ痔になってしまう可能性が高くなります。
いぼ痔についての詳しい記事はこちら
また、腹圧がかかることにより肛門腺へ便が侵入し発症する痔ろうの原因にもつながってしまうため、大工やスポーツ選手などの腹圧がかかる職業の方は痔になりやすいと言われています。
具体的な職業例
・大工
・引っ越し業者
・スポーツ選手
・配達員
対策
スポーツや仕事が終わったら毎日お風呂に入り、血流を良くするようにしましょう。また、肛門をウォシュレットなどでしっかりと洗い、清潔に保つことも大切です。
しかし、ウォシュレットの使い方を間違えるとかえって痔が悪化する恐れがあるので、使い方には気をつけて使用しましょう。
まとめ:痔になりやすい職業とは?デスクワークの人は特に注意
人生の3分の1の時間を占めるとも言われる仕事。痔の予防・改善のためには、普段の生活からお尻への負担を避けることが大切です。
座りっぱなしが肛門に良くないのはもちろん、立っている姿勢が長く続くのも、肛門に負担がかかります。長時間同じ体勢で働く事にならないよう、適度に休憩をとり、軽く歩いたりストレッチをしたりして、血行を改善させましょう。
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