トイレに行って排便する際に鋭い痛みを感じたことはありませんか?便秘・下痢がちの人や、妊娠中の女性はトイレの際に肛門周辺の皮膚が切れて「切れ痔」になってしまうことがあります。
切れ痔はとにかく痛く、人によっては座っていられない・立っていられないこともあるんです。この記事では痛い切れ痔の応急処置と、再発させないための注意点を紹介します。
こんな症状があれば、切れ痔かも?
次のような症状があれば、切れ痔を疑いましょう。
・排便時におしりに鋭い痛みを感じる
・おしりを拭くとトイレットペーパーに血が付く
・物を持ち上げようとしたときにおしりに鋭い痛みを感じた
これらの症状がある場合、切れ痔になっていることが多いです。
切れ痔とは?
切れ痔とは、文字通り肛門出口付近の皮膚が切れてしまった状態で「裂け痔」や「裂肛」などとも言われます。
排便時の鋭い痛みが特徴で、出血はそれほど多くありません。トイレットペーパーに少し付く程度です。
切れ痔は男性よりも女性に多い痔と言われています。なぜなら、女性が無茶なダイエットなどで便秘になり、やすいためです。
切れ痔は、自己流の対処法で悪化・慢性化させてしやすい痔でもあります。切れ痔になったら、その場限りの対処をせず早めに病院に行って、しっかりと治すようにしましょう。
切れ痔になりやすい人の特徴
次のような人は、切れ痔になりやすいです。
・便秘がちである
・下痢をすることが多い
・排便を我慢しがちである
・便がかたい
・ダイエット中である
・妊娠している
自分が切れ痔になりやすい体質だと思ったら、生活習慣を見直して痔になりやすい体質を少しずつ改善していきましょう。
切れ痔の応急処置
切れ痔で最も辛い症状は、鋭い痛みです。切れ痔の痛みがひどいときは、次に紹介する応急処置を試してみましょう。
激しく痛むときは安静に
おしりが痛くて座っていられない・立っていられないときは、横になって安静にしていましょう。
横になる時は、おしりに負担がかからない姿勢を取ることが大切です。仰向けではなく、横向きに寝て軽く膝を曲げるようにすると、痛みが和らぎやすいですよ。
痛みが引くまで、しばらくこの姿勢で様子を見ましょう。
関連記事:痔の痛み、寝る姿勢を変えるだけで和らぐって本当!?おすすめの寝姿勢を紹介
おしりを温める
切れ痔の痛みは、おしりを温めると和らぐことが多いです。下着の上から使い捨てカイロを貼ったり、腰にシャワーを当てたりしておしりを温めましょう。温めることで血行が良くなり、痛みが徐々に和らいでいきます。
腰には「長強(ちょうきょう)」というツボもあるので、やさしくマッサージしたりお灸を乗せたりするのもおすすめです。
痔に効くツボについては、ぜひ次の記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
関連記事:痔に効くツボ4選!毎日押して体の調子を整えよう
出血がひどい場合は生理用ナプキンなどを利用する
切れ痔でひどい出血があることは稀ですが、もし出血が気になる・血で下着が汚れそうで不安なときは、生理用ナプキンなどを利用するのも良いでしょう。
男性の場合、生理用ナプキンを購入するのに抵抗がある人も多いと思います。そんなときは、通販を利用するのがおすすめです。
切れ痔の治し方
それでは切れ痔の治し方を詳しく見ていきましょう。切れ痔の治し方は大きく3つあります。
①軟膏・注入軟膏を使う
1つめの方法は、市販の軟膏や注入軟膏を使う方法です。患部に塗ることで、速やかに痛みを鎮めてくれます。
しかし、トイレでないと薬が塗れない・塗るたびに手や下着が汚れるといったデメリットもあります。痛む患部に直接触れるのに抵抗がある人も多いでしょう。
また、市販の痔の薬をドラッグストアで購入するのはハードルが高いという声もよく聞かれます。
②飲み薬を飲む
痔には、飲み薬もあります。特に「乙字湯(おつじとう)」という漢方薬は、古くから痔や軽度の脱肛、便秘に良いとされている処方です。
飲み薬は、軟膏などの外用薬と違って即効性はありませんが、痔になりやすい体質を少しずつ整えてくれる効果が期待できます。
個包装になっているものであれば外出先に持っていきやすく、1日2~3回飲むだけなのでこまめにトイレに行く必要もありません。もちろん手や下着が汚れる心配もありません。
③おしりの血行を良くする
おしりの血行を良くすることも、切れ痔を治すのに有効です。普段、入浴をシャワーで済ませている人は、5分だけでも良いので湯船に浸かって体を温めるようにしましょう。
入浴することで肛門も清潔に保てますよ。
治りが悪い場合は病院を受診して
市販の薬をしばらく使用しても効果が感じられない・悪化するといった場合は、我慢せずに病院を受診しましょう。病院では、基本的に薬を使って切れ痔を治療します。
しかし、
・肛門が狭くなっている
・切れ痔が慢性化してしまっている
場合は、手術が必要になることもあります。
どんな手術が必要かは人によって異なるので、詳しくは診察してくれた医師によく確認してください。
切れ痔を繰り返さないために心がけること
切れ痔は、治ったと思っても再発することが多い痔です。切れ痔を繰り返さないためには、次のことを心がけましょう。
便秘や下痢に気を付ける
便秘や下痢は、切れ痔の最も大きな原因です。特に、便秘になることが多い人は毎日の生活習慣を見直して、おなかの調子を整えましょう。
便秘が気になる時は、水溶性食物繊維を豊富に含む食材を食べるのがおすすめです。水溶性食物繊維は便をやわらかくしてくれるため、スムーズに排便できるようになります。
同時に水分もたっぷりとるようにしましょう。
立ちっぱなし・座りっぱなしに注意する
長時間同じ姿勢でいると、おしりの血行が悪くなり、切れ痔になりやすくなります。1日中デスクワークで座っている、ずっと立ちっぱなしでいることが多い日とは、1時間に1回でも構わないので軽く体を動かすようにしてください。
その場で足踏みをする、背伸びをするだけでも違います。
おしりは丁寧に拭く
トイレに行った後は、丁寧におしりを拭きましょう。痛いから・血が付くからと雑に拭くと、ふき取り切れなかった便で患部が不潔になり、かえって痛くなる・腫れることがあります。
トイレットペーパーが硬い場合は、やわらかくするスプレーなども市販されているので、使ってみるのも良いでしょう。
花王『薬用 サニーナ』
消炎成分配合のスプレーです。トイレットペーパーにスプレーするだけで肌触りを柔らかくしてくれます。
肌を保護する成分として「スクワラン」を配合しているのもポイント。
携帯にも便利な大きさです。
無理なダイエットをしない
「特定のものを食べない」「極端に摂取カロリーを減らす」といった無理なダイエットをしている場合は、ダイエットの方法を見直しましょう。体を健やかに保つには、バランスの良い食事が必要不可欠です。
特に食べる量を極端に減らすダイエットをしていると便意が起こりにくくなり、便秘がちになります。
摂取カロリーを抑えながらバランスの良い食事を心がけることは、健康的なダイエットの基本です。
まとめ きちんと治して再発を防ごう!
切れ痔は、一度治っても再発しやすい痔です。切れ痔になったらその場限りの対処をせず、しっかり治して再発を防ぎましょう。
切れ痔の治療法は
①軟膏・注入軟膏を使う
②飲み薬を飲む
③おしりの血行を良くする
ことが大切です。
もし市販の薬をしばらく使っても良くならない・悪化する場合は、早めに病院を受診して専門医の診察を受けましょう。
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