「お願いします!この痔を何とかしてください…」
そう神に祈りたくなるほどの激痛…。みなさんは味わったことありますか?
軽度、重度、痛みに差はありますが、痔は本当にツライもので、戦国武将の加藤清正も痔で命を落としたとまで言われています。
そんな歴史ある病気の1種、痔にもご利益のある神社あることをご存知でしょうか?
今回は、全国各地にある痔にまつわる神社について紹介します。今まさに痔で悩んでいる方、来年の初詣に行ってみてはいかがでしょうか。
痔にご利益がある神社
47都道府県の中で有名な神社をピックアップしました。
東京
茗荷稲荷神社
東京都文京区にある茗荷稲荷神社。
山門をくぐってすぐ左手にこの小さな社があり、ミョウガ断ちして祈願すると痔のやまいに効果があるとされています。
堂の手前の立看板に次のように記されています。
ツイッターでも投稿されている方がいるということは、やはりそれなりに知名度があるところなのでしょうか。
蛸薬(たこやく)師 成就院
東京都目黒区の目黒不動の近くに、「信じて願えば何でも治る」といわれる御撫石(おなで石)で有名な蛸薬師成就院があります。
この「おなで石」は、大きさが4センチくらいの卵形の黒いツルツルした石で、これで御真言を唱えながら毎日1時間以上(お願い中は「たこ」を食べてはいけない。)患部を撫でるとイボ、たこ、魚の目、ひふ病、眼病、脱腸、、ぢ疾、神経痛、内臓の病、ほか諸病に効能があるとされています。
「おなで石」は、1,500円の奉納が必要で、本堂にあります。
お願いが成就したときは、お石はお返しします。
「おなで石」について、当山の蛸薬師如来縁起に次のように書かれています。
このおなで石秘法は、開山慈覚大師が唐に求法の時、五台山において、伝授請来され当山代々の住持の秘伝になっているそうです。
このご利益は、江戸時代から特に知られ、幕府の老中となって寛政の治をなした松平定信(白河楽翁公)はその著書、「花月草紙」の第五巻に「蛸薬師」の1項をもうけ、イボが取れたという不思議な話を、数百字にわたって驚異と感激をもって記しています。
本性寺
墨田川のほとりにある日蓮宗の寺。
このお寺には秋山自雲(しゅうざんじうん)が祀られています。秋山自雲は、江戸時代から痔疾の霊験あらかたな神として江戸時代からの流行神とし有名で、今でも参詣者が絶えません。
本性寺の題目堂には、痔疾に苦しんだ末寂した岡田孫右衛門が『秋山自雲霊神』として祀(まつ)られています。
己(おの)れの死期を悟(さと)った孫右衛門が諸仏神に、死後痔疾に苦しむ人びとを必ず救うという大誓願をたて、誦経唱題して寂し本性寺に葬(ほうむ)られました。「秋山自雲」はその法号です。
その後、痔疾を患(わずら)う者が信願をこめたところ、たちまち平癒(へいゆ)したことが世に広まり、多くの参詣者が祈願に訪れるようになったといいます。
本性寺のパンフレットの中の『秋山自雲霊神縁起』から引用。
毎年1月21日の秋山自雲の月命日に、秋山自雲が題目堂から本堂に移され、御開帳されています。その際に、お札をいただくことができ、そこで痔疾の治癒も祈願することができます。
さらに詳細に知りたい方は、「痔の神(秋山自雲)」を参照ください。
愛知
田戸神社
イボがなかなか取れない、気になるという人におすすめなのが、愛知県にある田戸神社。
本殿内に敷き詰められた丸い石でイボ取りを祈願し、持ち帰って患部を擦るとイボが取れるといわれている神社です。願い通りイボがとれた際には、石を増やして返すしきたりになっているのだとか。
もともとは万病のご利益がある神社だそうですが、イボ取りのご利益が先行して広がり、イボの神様として親しまれているそうです。
鹽竈(しおがま)神社
鹽竈神社は、名古屋市中川区の西日置商店街の一角にあります。
延命長寿、交通安全、産業開発に御利益がありますが、特に安産、虫封の守護神として信仰されています。
この神社に、無三殿大神と言われる痔の神様がいます。この神社は平成4年に建立したとのことで、もともとは江川にいた河童との言い伝えがあり、河童に尻を見せるとわるさして尻の根を抜くというのがあるが、江川の河童は痔を治してくれたそう。
実際、無三殿大神を見ると、河童の神様のようです。
かつて肛門科の病院が近くにあったときは、患者さんがたくさん訪れ、テレビでも紹介されたことがあるそうです。
大阪
廣田神社
この神社は痔の人が赤えいを禁食して、赤えいの絵馬をあげて願をかけると痔が治るといわれてているそう。
この赤えいは、痔疾をはじめ難病悪疫の守り神として広く信仰されており、美味しく、漢方薬としても珍重されていたアカエを断って、つまり断食して祈願すれば、難病も治癒するとされたそうです。
また、赤えいの尾には鋸状の歯が逆向きに並んだトゲがあり、これに刺されると傷口が荒れ、その毒によって物凄い痛みを覚えるそう。なので漁師はアカエを捕らえると同時に尾の付け根から切り落としていたそうです。
この「尾を断ち切る」と「断食の断つ」をかけて、トゲに刺された痛みのような激痛を伴う痔を癒すという信仰が生まれたとのことです。
興覚寺
中風、持病、頭痛、肩こり、めまい、不眠、痔、夏バテ防止に御利益のあるお寺です。夏の土用の丑祈願祭に「ほうろく祈祷」にあわせ、「痔封じ」祈願を行っているそうです。
ここにも痔疾平癒の信仰のある「秋山自雲」のお墓があります。門から入って、すぐ正面に痔封じの神様として秋山自雲が祀られています。このお寺では、病気平癒のため、絵馬を奉納します。
その他
痔神大明神
三重県河芸町にあり、伊勢鉄道河芸駅から徒歩15分程度の場所にある痔神大明神。
「痔神大明神」と書かれた大きな看板があり、その道路を50m程度奥に入ると、右側に小さな神社があります。あまり手入れもされていない様子ですが、社の右側にタオルや手ぬぐいが掛けられており、これにお願いを書いて奉納するようです。
痔疾に霊験ありとの言い伝えから、遠方からも参拝者があり、地元では「ぢ神さん」として、地区の人々により手厚くお世話されているようです。
痔の完治を願うお祭りも
栃木の奇祭「じかたまじない」
「じかたまじない」は、毎年旧暦6月1日(むけっついたち≒無血致し)に仕事を休んで川でお尻を清め、国神神社に捧げた卵を食べて痔を治そうと祈る、茂木町山内下平地区の伝統行事だそうです。
いつ始まったのか記録はなく、「じかたまじない保存会」事務局長・大久保正義さんが生まれた78年前にはすでにあったそう。
大久保さんが把握する限り、痔のご利益を願う神社は国内で国神神社のみらしく、大変めずらしい行事だそうです。
まずは手水舎にある卵型の白御影石「尻洗いの石」に水を二度かける。石へお尻を向けて、合掌。そのまま「けつぴたし」と3度唱えながら、お尻を石へ上下にすりつけるように動かします。これで、痔の予防と平癒を祈願します。
「じかたまじない保存会」の方によると、「じかた」はこの地方では「痔主」の方を指し、「けつぴたし」は「お尻を川に浸す」という意味とのことだそうです。
まとめ:痔にいい神社がある?来年の初詣はここに決まり!
今回は痔にご利益がある神社を紹介しました。今年ももう年の瀬、もうすぐ初詣の時期なので、
痔で悩んでいる方は一度参拝してみてはいかがでしょうか?
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