「おしりが痛い!」
突然子どもにそんなことを言われたらびっくりしますよね。
実は、痔は大人だけでなく子供にもよくみられる病気です。
この記事では、子供が痔になった場合に何科の病院に行けば良いのか、自宅でできる痔の改善方法について解説します。
子供にみられる痔の症状について
次のような症状が見られたら、お子さんが痔になっている可能性があります。
- トイレに行くのを嫌がる
- うんちをするときに痛がる
- 便に血が混じる
- 便秘気味である
該当するものが多い場合は、早めにお医者さんに相談してください。
子供の場合は切れ痔が多い?
子どもの痔は、切れ痔が多いと言われています。切れ痔とは、便秘で硬くなった便や勢いよく出る下痢によって排便時に肛門周辺の皮膚が切れてしまう症状です。
大人の切れ痔と同じく時に激しい痛みを伴うことがあるため、上記で説明したようにトイレに行くのを嫌がるようになったり我慢したりすることがあります。
また、普段から便秘だったり・下痢気味のお子さんは痔になるリスクも高くなるため、特に気にかけてあげたほうがいいでしょう。
子どもの痔は何科の病院に行けば良い?
お子さんが痔かもしれないと思った場合は、早めに小児科・小児外科を受診してください。早めに適切な治療を受けることで早期の改善が期待できます。
病院では症状が軽度の場合、一般的に主に軟膏を使って痔を治療します。便秘や下痢が見られる場合は、同時に整腸剤を処方されることがあります。詳しくは医師・薬剤師に相談してください。
大人の方は、「肛門科」で診てもらいましょう。
自宅でできる子供の痔の改善方法について
方法は大きく分けて2つあります。
市販薬を使用する
痛みがひどいときや出血がある時は、薬を使用しましょう。薬を使うことで、痛みや出血を素早く鎮められます。
市販の薬のなかには使えないものも
市販の薬の中には大人(15歳以上)でないと使えない薬もあります。購入する際は、忘れずに子どもも使えるかどうかを確認しましょう。
また、なるべく自分で判断せず、薬剤師が常駐するドラッグストアで購入されることをおすすめします。
軟膏
切れ痔には、軟膏がおすすめです。お子さんが自分で患部を確認するのは難しいので、親御さんが清潔な手で患部に塗ってあげてください。
下着の汚れが気になる時は、ガーゼに薄く塗って貼り付けるのも良いでしょう。
飲み薬
痔の薬というと座薬や軟膏だけと思われがちですが、漢方薬のなかには「乙字湯」という痔のための処方があります。最近は乙字湯をもとにした飲み薬も市販されているので、試してみるのも良いでしょう。
飲み薬のメリットは、家で飲んでから登園・登校すれば、保育園や幼稚園、学校で薬を飲んだり塗ったりする必要がないところです。
生活習慣を整える
痔は、生活習慣と密接に関わっている病気です。
生活習慣を変えない限り、一度治っても再発することがとても多いので、痔の不快な症状を薬で和らげると同時に、生活習慣の見直しましょう。
早寝早起き
生活のリズムを作るために、早寝早起きを心がけましょう。毎日決まった時間に食事を食べ、トイレに行くリズムを作ることで痔の発症リスクを軽減することに繋がります。
バランスの良い食事を摂る
バランスの良い食事も、痔を繰り返さないためには大切です。肉や魚だけ、野菜だけなど極端な食事は避け、肉・魚も野菜もバランスよく食べましょう。
おなかの調子が乱れがちなお子さんには、上記で説明したように食物繊維を多く含む食材や、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌が豊富に含まれる発酵食品がおすすめです。
先ほどもお伝えしたように、痔の原因・要因として便秘や下痢があります。
繰り返す場合は、食事は食物繊維が豊富な食材を意識して摂るようにしてください。特に海藻類や果物に含まれる「水溶性食物繊維」は便を柔らかくしてくれるので、便秘解消効果が期待できます。
【子ども向け】痔におすすめの食べ物
キウイ・リンゴ入りのヨーグルト
食物繊維を多く含む、リンゴやキウイならいつもの食事やおやつにプラスしやすいです。
さらに、ヨーグルトは腸内環境を整えるのでおすすめです。
根菜(大根・人参)入りのお味噌汁やスープ
大根や人参などの根菜も食物繊維豊富です。お味噌汁やスープにプラスしてみましょう。
下痢気味のお子さんの場合、疲れやストレスを溜めないことが大切です。その他、冷たい飲み物・食べ物を控えつつ、ゆったりと過ごせるよう工夫しましょう。
トイレタイムはゆっくりと
朝は何かとバタバタしますが、ゆっくりトイレに入る時間を作ってあげてください。特に便秘気味のお子さんは、排便まで時間がかかることが多いです。
朝起きたらコップ1杯の冷たい水を飲んだり、おなかをマッサージしたりするとスムーズに排便しやすくなります。
痔ろうの疑いがある場合は必ず受診しましょう。
痔が進行すると痔瘻(じろう)、あな痔に発症してしまうことがあります。痔瘻・あな痔の9割が男性と言われていますが、女性や子供(乳児)もなり得る痔で、発症すると激しい痛みを伴います。
痔ろうは肛門周辺が膿んで、激しく痛むのが特徴です。放っておくとピンポン玉程度まで腫れてしまうこともあります。痔瘻(あな痔)は、病院でないと治せません。おしりが腫れているようであれば早めに小児科を受診しましょう。
まとめ:子供の「おしり痛い!」は痔が原因?子供の痔について解説
「子どもが痔になるわけがない」と思っている保護者の方は少なくありませんが、痔は子供も発症することがある病気です。
特に便秘気味のお子さんは痔になりやすいので、お子さんに「おしりが痛い」「うんちをしたくない」と言われたら一度小児科で医師の診察を受けましょう。
放っておいて痔が悪化した場合、手術が必要になるケースもあります。
おしりのトラブルは、恥ずかしさから言い出せないお子さんも珍しくありません。少しでも変わった様子があれば、ぜひ保護者の方から声をかけてあげてください。
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